la mode europeénne sélectionné pour vous

KUZURI KEORI

12/25/2012

先月神戸のイベントに車で行った帰り道、今までなかなかお邪魔できなかった愛知・一宮の老舗ミル(織物工場)“葛利毛織”さんを訪問してきました。
こちらでは、弊社のオリジナルライン“MAXIM-TEX”を長い間織っていただいています。

明治末期の創業以来、日本の毛織物の一大産地である尾州でも特に「品質の高い生地」を生産することで知られてきた葛利さんですが、このクラシックな外観の社屋のなかで稼働している織機は現在もほぼ全て旧式のションヘル織機!
木のシャトルを使うこの織機は生産に大変な手間と時間がかかりますが、経緯(縦横)の糸がしっかりと絡み合った立体的でふくらみのある生地が織り上がるそうです。
実際、弊社のMAXIM-TEXもテーラーさんから褒められることが多い「アイロンがよく効き、仕立て映えがする」生地なのですが、この生産風景を見れば納得です。

噂には聞いていたものの、やはり驚いたのはその趣のある建物!
高度成長期で時代が止まったかのようなレトロな雰囲気のため撮影の依頼も多く、有名なテレビドラマ「官僚たちの夏」でもロケ地になったそうです。
また、尾州の歴史ある織物工場独特の「のこぎり屋根」は、その名の通り横から見るとのこぎりの刃の形状をしているのですが、これは一日中北からのやさしい自然光を取り入れる工夫なのだそうです。

国産でもインポートでも、このようにストーリー性に富んだ高品質服地を扱える幸せを改めて感じる今日この頃です。






KEEPER'S TWEED

12/17/2012

前回に引き続き生地のお話をさせていただきます。

昨今のツイードブームのなか、洋服好きの皆さまから密かな注目を集めているのがこちらの“KEEPER'S TWEED(キーパーズツイード)”。英国では有名な生地なのですが日本ではあまり知られていないので、初めてその名を聞かれる方も多いかと思います。この生地の名前は“GAME KEEPER(ゲームキーパー)”から来ているのですが、これは英国独特のある職業の名称でもあります。
その職業を日本語に訳すと「猟場の番人」。
#英語の“GAME”には、「猟獣・猟鳥(=獲物)」という意味があります。

英国では昔からある職業で、貴族や領主などの敷地内にある猟場のメンテナンスを行います。
全英で今でも数千人のプロフェッショナルGAME KEEPERがいるそうですが、現在上映中の“007 SKY FALL”でも、スコットランドのボンド家に長く仕えてきたGAME KEEPERが登場します。(残念ながら着用していたのは普通のツイードのようでしたが。。。)

32オンス(約900グラム)と肉厚の生地は、草木の茂みや荒野などでひっかけても服が破れないように高密度で織り上げられており、オリジナルのカラーも保護色であるブラウンとグリーンの2色のみ。
こんな質実剛健なKEEPER'S TWEEDですが、近年は狩猟をする貴族階級自身も着るカントリーウェアとしてその良さが見直されてきています。

残念ながら弊社では現在お取り扱いがないのですが、もしどこかでKEEPER'S TWEEDのジャケットを見つけられましたらその名の由来を思い出してみて下さい!

BRITISH WARM

12/10/2012

いよいよ寒さが本格的になり、ウールのコートが活躍する季節になりましたね!
近年はビジネスシーンでも非ウール(ナイロンなど)のコートを着られる方が増えていますが、しっかりと仕立てられたウールのコートのエレガントさに優るものはないと勝手に思っております。(勿論、カシミアもいいですが、満員電車には乗りたくないですよね!笑)
今回は、「知る人ぞ知る」ちょっとマニアックなコート地をご紹介いたします。

その名は“BRITISH WARM”。
起源を第一次世界大戦当時にまで遡り、英国王立軍の将校用コート地として開発されたこの生地は、その希少さゆえ「幻の生地」とも呼ばれています。
ウールのメルトンに近い組織で若干起毛されているのですが、そのウェイトは(復刻されている当時より軽いものでも)850gmsと通常のコート地の2倍以上あります。
圧縮され目が詰まっているので、その質感は毛布以上のハードさ!
カラーは「Taupe(トープ)」と呼ばれる1色のみで、グレーがかったベージュは「モグラ色」とも評されます。
英国では退役軍人会の方がよく着ている気がするのですが、最近はこのユニークな生地を現代風にアレンジしてデザインされたコートも見かけるようになりました。

残念ながら手間暇がかかる“BRITISH WARM”の生産量は減っていく一方なので、いつか入手できなくなる日が来るかも知れません。
今はHARRISONSのオーバーコートコレクションに編集されていますので、「一生もの」のコートにぜひいかがでしょうか?
(OVERCOATINGS 83929)

H. LESSER & SONS

12/03/2012

業界通の方はご存じかもしれませんが、「高品質服地にこだわるロンドンマーチャント」として独特のポジションを確立してきたH.LESSERは、2年前に英国最大のファミリーマーチャントLBD-HARRISONSグループの傘下に入りました。
オフィスをロンドンに残し、H.LESSERのオペレーションとストックはグループ本部のエクセタ―にすでに移動しています。

オーナー企業が変わっても同ブランドのラインナップはほとんど変わりなく、洋服好きを唸らすオーセンティックでしっかりとした服地が揃っています。
特にアイコニックな“ラムズ・ゴールデンベール”は、選び抜かれた超希少な原毛から織り上げられ、紳士服の聖地サヴィル・ロウに於いてもテーラーが最もリスペクトする服地の一つだそうです。

詳しくは今は申し上げられないのですが、来年の夏に公開される「超大物ハリウッドスター」が主人公を演じる「往年の超名作映画のリバイバル版」においては、H.LESSERの服地が撮影衣装用に大量に使われ、プレミア上映ではなんとこの超大物俳優がこの“ラムズ・ゴールデンベール”を着て登場する予定だそうです。
(私は仮縫い中の写真を見せてもらいました。あの有名な船に乗っていた方です!笑)

欧米の有名映画では撮影用衣装の服地もこだわることが一般的で、LBD-HARRISONSグループのコレクションからも多くが採用されています。
クオリティーの良し悪しは、スクリーンを通してもきっと分かってしまうんですね!?

CYCLE HIRE IN LONDON

11/26/2012

先日のロンドン滞在では、以前から気になっていたある体験をしてみました。
それはレンタサイクルです!

日本の観光地にあるようなシステムとは違い、ロンドンやパリで最近増えている公営レンタサイクルは無人のステーションが公道上にあるのが特徴。
普及が進み、今では市民の交通手段の一つになっています。


短期、長期のアクセスフィーを払えば30分以内は無料、1時間は1ポンド(約¥130)そして1時間以上はどんどん時間あたりのコストが割高になり、短時間の利用や乗換を促進するシステムになっています。
原理的には30分毎で乗り換えていけば1日乗ってもレンタル料は無料になりますが、それには市内のステーションの位置をある程度把握しておく必要があります。


パリで友人が乗っているのを見てトライしてみたかったのですが、全てフランス語表記だったため断念。今回は見よう見まねで一人でやってみたのですが、思ったより簡単にできました!(支払いはクレジットカードで行います)

思えばロンドンを自転車で走るのは初めてでしたが、写真のサヴィル・ロウやメイフェアを抜けてハイドパークの池までのサイクリングはかなり爽快でした!
未体験の方は、ロンドンに行かれた際ぜひトライしてみてください。

(英国での自転車走行は、基本的に自動車と同じ扱いとなりますのでご注意を!)
 



SUPERDRY

11/19/2012


先日の出張の話題に戻らせていただきます。

リージェント・ストリート沿い(サヴィル・ロウへの入り口)にあったAUSTIN REEDのショップは、2機のガラス張りリフトやVIPラウンジを備えた立派な店舗で、特にmade-to-measure suitのコーナーはロンドン有数の売上を誇っていましたが、数年前に通り向かい(Aquascutumの旧本店の建物)に移転してしまいました。

そして、今この場所で多くの若者を集めているのが、カジュアルブランド“Superdry 極度乾燥(しなさい)”です。
このブランド名は決してタイプミスではなく、全英79の路面店、71の(百貨店等の)コーナーショップを持ついまや英国を代表する(?)ブランドの一つ。
2003年に始まった若いブランドながら、確信犯的に間違えた日本語をプリントしたウェアなどがうけ、ベッカムをはじめとする有名人にもファンが多いようです。

サヴィル・ロウですらAbercrombie & Fitchのショップがある昨今、カジュアル化の流れはここロンドンに於いても顕著ですが、ショップ横のウィンドーではかのTimothy Everestとコラボのテーラードラインを打ち出していたり、とにかく元気なブランドであることは間違いないようです。


TWEED WALK & RIDE, KOBE 2012

11/13/2012
 
先週の日曜日、神戸・旧居留地の朝日ホール(エントランス広場)にて、イベント「ツイード・ウォーク&ライド 神戸2012」が開催されました。
当日はあいにくの雨模様となり残念ながらスタンプラリーは中止となってしまいましたが、ツイードを着用した大勢の紳士・淑女が集まり、展示、トークショーそして歓談を夕方まで楽しみました。
 
会場では神戸をベースとするテーラー、セレクトショップによる「この秋のツイード・ウォーク&ライドスタイルの展示」があり、生地は弊社取り扱いのカントリー系英国マーチャントブランドPORTER & HARDINGが提供させていただきました。
 
今回持参した愛車では神戸の街を走ることができませんでしたが、お知り合いの方との再会や、新しい出会いも多々あり、大変充実した時間を過ごすことができました。
(途中、お取引先の方と抜け出し美味しい地ビールを飲んできたのはここだけの秘密です。笑)
 
神戸を訪れて改めて感じたのは、旧居留地周辺の美しい街並みと歴史ある港町独特の素晴らしい雰囲気。
今度こそはぜひこの街を自転車で散策してみたいと思います!
「この秋のツイード・ウォーク&ライドスタイルの展示」

会場には貴重なクラシック自転車が多数集結しました



SWAINE ADENEY BRIGG

11/06/2012

今回は少し残念なニュースです。

ジャーミン・ストリートの突き当たりのセント・ジェームス・ストリートにあった「レザーバッグと傘の名門」SWAINE ADENEY BRIGGの旗艦店は、紳士洋品の聖地として知られるこのエリアのランドマークとも言える存在でした。

なぜ過去形かといいますと、私がロンドンを訪れた9月下旬には既にこの店舗は閉鎖されており、これから来春にかけて市内に新たな3店舗(そのうち1店舗は近くのピカデリー・アーケード内)が開設される旨現在アナウンスされています。

1750年創業のレザーブランドSWAINE ADENEYが、後に王室御用達の傘メーカーBRIGGを吸収し今日に続くSWAINE ADENEY BRIGGは、映画007シリーズで使用された「ボンドアタッシェ」でも有名で、エリザベス女王(乗馬用ムチとグローブ)とチャールズ皇太子(傘)の御用達証を授与されています。
かくいう私も学生時代よりこちらの製品に憧れていて、卒業して日本に帰国する時に(住んでいたアパートのデポジット{=保証金}を使い)こちらの店で緊張しながらレザーブリーフとアッシュの傘を購入した思い出があります。

この10年で数回オーナー企業が変わるなど、その経営はかならずも易しいものでは無かったようですが、誰もが認める英国を代表する高級レザー/傘ブランドの新天地での益々の発展を願います。

PORTBELLO MARKET

10/29/2012


少し遅くなりましたが先月の出張時のことを書かせていただきます。

パリの展示会の後にロンドンに入り、いつものように週末を過ごしました。
サヴィル・ロウのテーラーに立ち寄り色々情報交換をしたり、新しいショップや店頭の商品をチェックしたりがいつものパターンですが、昔から時間があると足が向くのがポートベローのマーケットです。
今回はホテルが徒歩約10分の場所(偶然にも学生時代に半年を過ごしたPrinces Square!)だったので、土曜日の朝に散歩がてら行ってきました。
毎週土曜日の1日しか開催しないこのマーケットは相変わらずの凄い人出です。

何年か前にオープンして以来賑わっているのが、Portbello RoadとWestboune Groveの交差点にある“ALLSAINTS SPITALFIELDS”という店。
日本のセレクトショップでも一部扱われている人気カジュアルブランドだそうですが、目を惹くのが店頭・店内にディスプレーされた大量のアンティークミシン!

ALLSAINTS SPITALFIELDS ショーウィンドー
SINGERを中心とした何百台ものアンティークミシンが立体的にディスプレーされ、一見するとミシン屋さんにしか見えません。(笑)
私も以前苦労してSINGERのアンティークを入手しましたが、これだけの数を揃えるのにはかなりの労力を要した筈です。


店内
今回は特に買い物はしませんでしたが、ここ数年会えずにいた人を探すことにしました。
学生時代から17年来の知り会いであるハドソンさんは、古い雑誌の広告(特にアールデコ調のもの)を装丁して販売するディーラーでした。
学生時代、そして出張時と毎年のように顔をあわせ、今まで100枚以上もの広告を彼から購入してきました。
一度高校時代の先輩から頼まれ、ROLEXの美しい広告シリーズを50枚探してもらい一括買い付けしたこともあります。
詳しくは>http://www.marukishi.co.jp/memorandum/diary.cgi?no=204

ちょうど今の“ALLSAINTS SPITALFIELDS”から20メートルほど西の場所にいつもブースを出していたのですが、ここ数年会えない状態が続いていました。
意を決して近くのブースの人に消息を尋ねたのですが、なぜか彼を知ってる人がいません。
もしかするとこういったアンティークブースもそれなりに出入りが多いのかも知れませんが、結局行方が分からず残念でした。

17年前に出会った時には既に70前後の歳に見えましたので、今はもう80台後半でしょうか。
毎週土曜日に欠かさずこのマーケットに立ち続けていた彼が、穏やかなリタイアライフを過ごしていることを願ってやみません。。。

SOHO IN TOKYO

10/22/2012
新 丸の内駅舎を背にしたルートマスター
先週の土曜日、東京駅丸ビル前を発着地として、Harrisons of Edinburgh150周年記念プレイベント“SOHO IN TOKYO”が開催されました。

17時前に出発地に姿を現した1965年式の2階建てロンドンバス“ルートマスター”は、なんと12月に上映予定の007最新作「スカイフォール」×コカコーラ(同映画のスポンサー)のAD仕様でオールブラック!
丸ビル前の多くの買い物客、観光客の皆さまからは注目の的で、写真を撮る大勢の方はともかく、乗り込もうとする方もいて整理に追われました。(笑)

そして、1便が17時に出発し、東京タワー、六本木、表参道、渋谷方面を巡るTOKYOナイトクルーズへ!

車内ではHarrisons(Harrisons-LBD)社長のジェームス・ダンスフォードによる挨拶・乾杯のあと、ビンゴ大会などで盛り上がります。
1便はお子様連れが多かった事もあり行く先々で沿道の方から手を振られ、子供たちは大喜びで振り返していました。

そして、19時にはシックでアダルトな雰囲気となった2便がスタート。
こちらは2時間のクルーズとなるため、ベイエリアを抜けてお台場を起点したロングコースです。

東京湾やレインボーブリッジの美しい眺めに車内からはため息が。。。
音楽もPARTY TUNEの新旧UKヒットが流れ、まさにSOHOでパーティーをしているような感覚に浸りながらお酒がすすみます。

そして1便と同じコースに入り、2時間はあっという間に過ぎていきました。

天気・気候が大変よかったのは幸運でしたが、ご参加いただいた多くの皆さまからお喜びの声をいただけたのは私たちにとって何よりものご褒美でした。
至らない点も多かったかと思いますが、ご参加いただきました皆様には心よりお礼申し上げます。

多くのお子様達で賑わった1便
2便は大人のパーティーに!

TWEED WALK & RIDE KOBE 2012

10/12/2012

前回の記事でも触れさせていただきましたが、来月の11日(日)に神戸・旧居留地で開催されるイベント、「ツイード・ウォーク&ライド 神戸2012」に弊社取り扱いのカントリー系英国マーチャントブランドPORTER & HARDINGがオフィシャル服地サプライヤーとして参加させていただきます。

『日本近代洋服発祥の地』である神戸から、日本の紳士の装いを盛り上げる事を主目的に発足した団体“神戸ブランメル倶楽部”の呼びかけで行われるこのシーズナルイベントはこれで4回目となりますが、今回は自転車でのランを交えた新しい試みとなります。

当日は自転車と徒歩による「スタンプラリー」や「交流会・トークイベント」、そして神戸のテーラー、セレクトショップによる「この秋のツイード・ウォーク&ライドスタイルの展示」など盛りだくさんの内容となる予定ですが、かくいう私も愛車(英国製自転車)持参のうえこのイベントに参加しようと思っております!

残念ながらスタンプラリーの申し込みは終了しておりますが、イベント自体の参加は自由ですのでお近くの方はぜひツイードを着て遊びにいらしてください!!

・日時 2012年 11月11日(日) 12:00 開会式 ― 16:30閉会式

・会場 (メイン) 旧居留地 神戸朝日ホール 1階ピロティー
      ( サブ) 神戸メリケンパーク、ハーバーランド、みなとのもり公園 他

<詳しくは>
http://www.kobe-bc.jp/event/event.html

HARTWIST

10/06/2012


今月は東京で“TWEED RUN”、そして来月は神戸で“TWEED WALK & RIDE”とツイードにまつわるイベントが続きます。
トレンドは「英国調」と言われてもう何年か経ちますが、オーセンティックなカントリーウェアのファンが楽しめるイベントが増えてきたことは服地業界としても大歓迎です。

個人的なことで恐縮ですが、私はこの「英国調」という言葉があまり好きでありません。
ファーストファッションが隆盛を極める昨今だからこそ、流行や表面的なデザインだけではなくその後ろにある英国の素晴らしい服飾文化にも目を向けていただければと思います。

さて、18の新色柄が追加された、PORTER & HARDING “HARTWIST”の新バンチがリリースされました。
チェヴィオット種とクロスブレッドと呼ばれる混血種のウールから紡がれた2種類のヤーンをツイストしてから織り上げられるこのユニークなツイード地は、今でも上流階級のカントリーウェア用としてサヴィル・ロウの老舗テーラーで多く販売されています。
(日本では限定展開)

とかく野暮ったく見られがちな伝統的なツイード地も、体にフィットしたオーダースーツ(ジャケット)でセンス良く着こなせば、こんなに格好いいものはありません!
タイドアップせずに、ハイネックニットと組み合わせるような遊び心のある着こなしも新鮮です。
今までトライしたことがなかった方も、今年はぜひ「調」ではない本物のスコティッシュツイードを体験してみてください!!

#PORTER & HARDINGは、2012年11月11日(日)に神戸・旧居留地で開催される「TWEED WALK & RIDE」(神戸ブランメル倶楽部主催)のオフィシャル服地サプライヤーです。

SOHO IN TOKYO 2012

9/28/2012

英国を代表する高級服地マーチャント、Harrisons of Edinburghはお陰様で来年150周年という節目の年を迎えます。
来年には様々な企画商品・イベントが準備されていますが、来月にプレイベントとしてちょっと変わった催しを行います。

その名は“SOHO IN TOKYO”。
ロンドン名物の2階建てバスの中でも、2005年の退役まで長年愛されてきた名車「ルートマスター」をなんと貸し切り、都内を廻るクルージングパーティーに出発します!
2階建てバスから見下ろす景色は普段と違う非日常的なもの。
ビール片手に盛り上がりながら巡る東京は、この夜ひょっとしてSOHOになるかも!?

開催日:2012年10月20日(土)

     第1便 17:00~18:30(90分)  満席(キャンセル待ち承ります) 
     2便 19:00~21:00(120分)  残席僅か 
 
#定刻に出発しますので、両便とも出発時刻の10分前にお集まり下さい。

発着地:東京駅丸ビル前(新丸ビル側)

参加費:第1便 \4,000 第2便 \6,000 (要予約)
小学生以下の子供料金 \2,000(両便とも) 3歳以下無料

パーティー内容:
1、ビール、ワイン、カクテル、ソフトドリンク類飲み放題
2、イギリス直輸入のクリスプスをご用意
#お一人様2袋まで その他おつまみ類お持ち込み自由
3、ロンドン土産が当たる楽しいビンゴ大会
4、UKミュージックでパーティー気分を盛り上げながら、都内各所を周遊します。

#バスにはトイレが完備されていますので、安心してご乗車下さい。
#募集人数に達し次第締め切らせていただきますのでご了承ください。
#実際の車体のデザイン・カラーは、広告の有無などにより異なります。


オーダースーツ業界関係者様だけでなく一般のお客様、お子様も大歓迎ですので、お気軽にぜひご参加ください!!

お申込み先:マルキシ株式会社 03-3251-7300 info@marukishi.co.jp
(お申込みの際は代表者名、便名、人数、携帯電話番号をお知らせ下さい)



CANAL ST-MARTIN

9/24/2012

先週から欧州出張にきており、先ほどロンドンから英国南西部の町エクセターに入りました。
ここはHARRISONSなどの有名ブランドを傘下におさめる英国最大のファミリーマーチャント、LEAR BROWNE & DUNSFORDの本拠地で、明日は終日同社でミーティングの予定になっています。
写真は、先週東京からパリに入った日のもので、ホテル近くの“サンマルタン運河”です。
ゆったりとした平和な雰囲気のこの場所は近年パリっ子の人気が高く、パリでも有数の高感度エリアになっているそうです。
パリもロンドンも朝晩は大変冷え込んでおり、一足早い秋の訪れを感じます。

SORA×NIWA GINZA

9/18/2012
 

銀座松屋の屋上スペースで今年6月にスタートしたWEBラジオ局“ソラトニワ銀座”。
旬の芸能人や、様々な業界の多彩なゲストを招いたトーク番組と、充実の音楽プログラムで話題となっています。

毎週金曜日の17:30からは、有名なヘアケアシャンプー“スカルプD”の開発者である小林一広先生(城西クリニック院長)のトーク番組「ドクトル・コバの銀座の奥義」が生放送でオンエアされているのですが、先週の回ではなんとこの私を「老舗服地卸商の3代目」としてゲストにお招きいただきいただきました。

オンエア前は恥ずかしながらかなり緊張していたのですが、“ドクトル”こと小林先生とアシスタントの本山友理さんの絶妙なナビのお陰で段々楽しくなってきてしまい、当初予定(約30分)を大幅にオーバーし50分ほどのゲストタイムになってしまいました!

私が家業に入るまでの経緯や留学時代、服地業界について、そして今も色々教えてもらっている大切な街 銀座のこと。
終わってみるとあっという間のトークタイムでした。。。
「私なんかで。。。?」とは今でも思っておりますが、少しでも多くの方にストーリー性のある服地やオーダースーツに興味を持っていただくきっかけになれば幸いです。

この特別な機会をいただいた小林先生、そして“ソラトニワ銀座”の関係者の皆さまにこの場を借りて心より御礼申し上げます。

“ドクトル”小林先生(左)とアシスタントの本山さん(右)

MEMORY

9/10/2012
 

大正末期に建設されて以来約90年、弊社が所在するこの地神田で時代の移り変わりと人々の人生を見守ってきた一軒の()店舗兼住宅が、老朽化と再開発により取り壊されることになりました。
お別れの一般公開があるとのことで先ほどお邪魔してきました。

この「柏山邸」(神田須田町一丁目)ファサードに銅の板が葺かれた「銅板建築」と呼ばれる大変貴重な造りで、銅板に加え、“マンサード屋根”というフランスの建築様式が評価され、「千代田区景観街づくり重要物件」にも認定されています。
先週の読売新聞でこの話題を見つけたとき私の目を惹いたのは、このお宅が3代に亘り「池田屋」という屋号で紳士服の裏地屋を営まれていたことでした。

そう、ご存じの方も多いと思いますが、神田須田町は戦前から多くの服地卸商、裏地・ボタンなどの付属商などが軒を連ねた日本随一の「注文紳士服の街」でした。

弊社は平成に入り隣の神田淡路町に移りましたが、創業から長きに亘り神田須田町2丁目に本社がありました。私が子供の頃会社を訪れると周りに大小様々な会社・店があり、全国からテーラーさんが集まり大変活気があったのを覚えています。
今では注文紳士服関連の業者はめっきり減り、当時のこの地の賑わいを窺い知ることは難しくなってしまいました。

街の記憶と日本の注文服業界の歴史が 刻み込まれた貴重な建物が失われるのは非常に残念ですが、私は3代に亘って引き継いできた服地卸業をこれからもこの神田で続けていきたいと思っています。

裏地店営業当時の様子(展示パネルより)

展示されていた当時の商品、道具など
 

MAGEE

9/03/2012
 
 有名なハリス・ツイードは著名ブランド、若手デザイナーの積極的な使用もありこの数年で若い世代での認知度がかなり上がってきているようですが、ポストハリスとして今注目されているのがアイルランドのドネガル・ツイードです。

MAGEE(マギー)はアイルランド北端の地ドネガルで1866年より操業している老舗メーカーで、草木、土など自然の持つ素朴な色合いで織り込まれた本物のドネガル・ツイードを生産しています。
ハリス・ツイードよりも少しソフトで、包み込むような優しい着心地が特徴的です。

390~660グラムの7種のウェイトに多くの新色柄が追加された、今季の新サンプルブックが間もなくリリースされます。
ドネガル・ツイードのジャケット、コートで、ぜひ冬の着こなしをお愉しみ下さい!



FLOWERS

8/27/2012
 
近年、服飾イベントのオーガナイズやファッション誌などでもご活躍中の河合正人さんは弊社も大変お世話になっている方なのですが、本職はフラワー・コーディネーターをされており数々の賞の受賞歴をお持ちです。
その河合さんがこのたび写真集“FLOWERS”を出版され、amazon等でも予約受付が開始されました。

コダックのアナログポジフィルムを使い1年かけて撮影したこちらの写真集は、四季折々に咲く花の中で、本当によい花(1輪)に出会えたときにだけシャッターを押すという、花に寄り添うようにして撮影されたものだそうです。

(本当の意味で)豊かな生活に必要なもの中には、「クオリティーの高い生地を使い、しっかりと仕立て上げられたオーダースーツ」とともに、「洗練されていながらリラックスできる空間」があると私は思っているのですが、自宅、オフィス、ショップなどで「この写真集を日替わりでめくって飾ってみたら毎日が愉しいのでは」と勝手にイメージを膨らませています。
 
私も早速1冊お願いしていますが、手元に届くのが待ち遠しい今日この頃。
皆さまもぜひお手に取ってご覧下さいませ。

SUMMER HOLIDAY

8/20/2012
 
お盆休みが終わり、弊社も本日から営業再開となります。
皆様はいかがお過ごしになられましたでしょうか?

上の写真は私の休暇中の一コマで、軽井沢の重要文化財“旧三笠ホテル”のホールで行なわれた4重弦楽のミニコンサートの会場です。
町の夏季イベントの一つとして行なわれ、音大の学生さんの演奏を聴きに多くの観客が集まりました。

当日は天気が良く、開け放たれた窓からはいい風が入ってくるなか、大変心地の良い演奏会でした。

【旧三笠ホテル】
設計・施工が日本人の手による明治後期の純西洋風の木造ホテル。明治・大正時代を築いた著名人が訪れた面影を今に伝えています。昭和55年5月、国の重要文化財に指定。
               (軽井沢町HPより)

SALTIRE

8/10/2012

暑さまっさかりのなか来週は盆休みですが、いまは秋冬生地や新しいサンプルが続々と入荷してくる時期でもあります。

弊社取り扱いブランドでも今季多くの新作服地がありますが、今回は一足早く来年150周年を迎える英国の名門マーチャントHARRISONSの新しいカシミアコレクション、SALTIRE(ソルタイア)をご紹介させていただきます。

高品質紡毛カシミアCACHET(キャシェ)の後継として登場したこのSALTIREは、選び抜かれたチャイニーズカシミアの原毛を手間と時間のかかるミュール紡績機によりクオリティー優先で紡ぎ、スコットランドの伝統技法により肉厚で滑らかなボディーへと織り上げられました。
柔らかく、暖かく、そしてしっかりと仕立て映えするパフォーマンスの高さは、HARRISONSならではのものです。

ブランドの母国スコットランドへのオマージュとして初めて登場したロイヤルブルーの織ネームは、国旗“聖アンドリュー旗”がモチーフになりました。
世界で初めて(ブランド調べ)採用されたデュアルセルベッジ(生地の織耳のカラー/デザインが片方ずつ違う)と共に、HARRISONSらしい遊び心は見ていて愉しくなります。

バンチのデリバリーも始まっていますので、ぜひ実際に触れてその高いクオリティーを実感して下さい。(限定展開)


MEMORIAL DINNER SUIT

8/06/2012


先日の話題の続きです。

“SAVILE ROW A Glimpse into the World of English Tailoring”の著者  長谷川喜美さんをお招きしてのトークショーの最後に、弊社の方から実際のサヴィル・ロウ仕立てビスポークの参考品2着のうちの1着として紹介させていただいたディナースーツ(米名:タキシード)がこちら。
このディナースーツをオーダーしたのは、当時英国の大学院に留学中だった弊社現社長(2代目)の岸克彦でした。

HUNTSMAN(ハンツマン)で1967年に製作されたこのディナースーツは、ショールカラー(ヘチマ襟)のダブルブレステッドでタイト目にカットされており、今見ても違和感を感じないシャープな仕上がりです。
生地は当時のヨークシャーの有力ミル(織物工場)HUNT&WINTERBOTHAM(ハント&ウインターボザム)製のキッドモヘア55%混バラシアで、非常にしっかりしていて50年近い歳月を感じさせません。

英国留学の記念としてオーダーした1着で、仮縫い・中縫いの後入念に仕立てられたようですが、当時サヴィル・ロウでスーツをオーダーすることのできた日本人は稀だったため、帰国後このディナースーツは裁断・縫製技術の資料として引っ張りだこだったそうです。

全国の洋服組合を廻って帰ってきたときには、(袖付けの技術を見るために)どこかで片方の袖を外しまた付け直されていたようで、後日他のテーラーさんが見て発覚。
まだ発展途上だった日本の紳士服業界で、テーラーさんがどれだけ技術向上に熱心だったかが窺える、今となっては微笑ましいエピソードです。



余談ですが、今も昔もサヴィル・ロウの名門テーラーではビスポークスーツの裏地に(服地ブランドの)織ネームはおろかショップネームも付けません。
よって内側を見てもどのテーラーで仕立てられたスーツかは分かりませんが、実は内ポケットをめくると店名、オーナーの名前、製造年月、シリアルナンバーが印字されたタグが貼られており、半永久的に保管されている型紙をすぐに探し出すことができます。

高級なビスポークスーツでも決してひけらかすようなことをしないのは、まさに英国流のアンダーステートメントの表れのようです。







TALK SHOW

7/30/2012

先週の木曜日、開催中だった弊社AW2012新柄展示会(業者様向け)の東京会場に於いて、“SAVILE ROW A Glimpse into the World of English Tailoring”の著者 長谷川喜美さんをお招きしてのトークショー&サイン・懇親会を開催し、お取引先様多数にご来場いただきました。

唯一無二の紳士服の聖地であるサヴィル・ロウの古今や各老舗テーラーのお話、またチャールズ皇太子の支援のもと行なわれた“SAVILE ROW FIELD DAY”(サヴィル・ロウに田園を再現し、30頭の羊を放した一大PRイベント)を動画を交え解説していただくなど大変充実した内容となり、盛況だったサイン・懇親会と共にご好評をいただきました。
長谷川様、またご来場いただきました皆様には、この場をお借りし厚く御礼申し上げます。

さて、下の写真は弊社より参考出品させていただいたサヴィル・ロウ製のビスポーク2着。
右の英国王立海軍の士官服は以前にご紹介させていただいたもので、HARRISONSなどを傘下に持つ英国最大のファミリーマーチャント LEAR BROWNE & DUNSFORDのブラウン家の方が実際に第2次大戦中に着用していたGIEVES(ギーブス)製のもの。(詳しくはこちら
左のディナースーツ(=タキシード)はHUNTSMAN(ハンツマン)で1967年にオーダーされたものなのですが、そのオーナーは実は弊社社長です。

このディナースーツが持つストーリーは、次回詳しく書かせていただきたいと思います。


SAVILE ROW BUNCH

7/25/2012

先日の話題の続きです。

皆さまが日本で目にされるHARRISONSのバンチの殆どはミディアムサイズ(写真右)のもので、サイズは23cm×15cmですが、実は紳士服の聖地サヴィル・ロウのテーラーでは写真左の大きなサイズ(29cm×19cm)のバンチが一般的に使われています。
これはHARRISONS以外の英国マーチャントでも同様のようで、サヴィル・ロウの老舗テーラーのサロンには大型のバンチがたくさん並んで(だいたい吊り下げられて)います。

英国ではかなり早くからバンチが普及し日本のように生地の着分を肩からかける習慣が無かったため、生地の色柄が見易いようにこのサイズが定着したそうですが、昔は(特にジャケット)で大柄のものが多かったことも理由の一つなようです。

色柄が見易い反面、重くかさばるためサヴィル・ロウ以外ではミディアムサイズが主流ですが、出張販売の際に使用するトラベルセット(写真中)と比べるとその大きさが際立ちます。


THE CAMPAIGN FOR WOOL EVENT

7/17/2012


先週の金曜日に駐日英国大使館に於いて、キャンペーン・フォー・ウール・イベントの一環とした
サヴィル・ロウ・テーラリングのトークショー&レセプションが開催され、弊社もささやかながら協賛させていただきました。

当日は「英国王室御用達に輝く老舗から、新進気鋭の新しいテーラーまで、時代の流れの中で大きく変貌を遂げるサヴィル・ロウの実像を、現地取材を通じて映し出した、日本初のヴィジュアルブック」である“SAVILE ROW A Glimpse into the World of English Tailoring”を執筆された長谷川喜美さんのトークショーや、日本のクロージング界の重鎮お二方による名作映画を見ながらのブリティッシュトラッド解説など充実した内容で、業界内外の皆様で大変賑わっていました。

この“SAVILE ROW”は、普段雑誌などで断片的にしか窺うことのできないサヴィル・ロウのテーラーの裏側を美しい写真の数々とともに掘り下げた秀作です。
皆様もぜひお手にとってご覧くださいませ。

TRAVEL SET

7/12/2012

皆さまがスーツをオーダーする時(テーラーさまの場合は販売される時)使われる生地見本は、英語でBUNCH(バンチ)と呼ばれ“房”や“束ねる”という意味から来ています。
そのサイズは各マーチャントによって様々ですが、HARRISONSでは23cm×15cmが基本サイズとなり日本のマーケットで多くご利用いただいています。

この写真のバンチはTRAVEL SET(トラベルセット)と呼ばれる小さなもの(15.5cm×10cm)で、その名のごとくサヴィル・ロウのテーラーが出張販売に出掛ける時に使用します。
サヴィル・ロウに立ち並ぶ老舗テーラーの風格ある店構えから考えると意外に思われるかも知れませんが、実は各テーラーともに海外(特にアメリカ)での出張販売が多く店によってはその比率が全体の50%を超えているケースもあるようです。

バンチは同サイズの本に近い重量がある為、数十冊と集まると持ち運びが大変なのですがこのサイズなら容積・重量ともに1/2~1/3で済みます。
現在も王侯貴族・エグゼクティブ達を相手に世界中を飛び回る老舗テーラーのために、HARRISONSでは今もこのサイズのバンチを作り続けているのです。(日本での展開はございません)

サヴィル・ロウの各店頭では、柄が見易いように逆に特大サイズのバンチが使用されています。
次回はその“サヴィル・ロウ サイズ”のバンチをご紹介させていただきます。


HUNTSMAN

7/05/2012

前回の話題に引き続き、3年前の出張でUP出来なかったもう一つのトピックを。。。
アンダーソン&シェパードを訪れたのと同日にもう一軒お邪魔したサヴィル・ロウの老舗テーラーが、11番地のHUNTSMAN(ハンツマン)でした。

過去の記事でも何回か書かせていただきましたが(詳しくはこちらから)、一ツ釦をベースにした独特のカッティング、そしていつの時代もサヴィル・ロウで最も高いと言われるその価格とともに英国を代表するテーラーの一つとして認知されています。
(スタート価格の4,000ポンドは最初の訪問時は円換算で約80万円でしたが、今のレートだと50万円少々。このチャンスにどなたかトライされては!?)
ヘンリー・プール同様に伝統と格式を今に伝える店構えの同店はかなりの敷居の高さですが、この時も最高にフレンドリーなセールスマネージャー、ピーター・スミス氏のご好意で工房を見学させていただき充実した時間となりました。

サヴィル・ロウ ビスポーク協会の発足やチャールズ皇太子のバックアップのもとでのイベント開催など、この通りそしてビスポークの文化が近年再び注目を集めています。
次の出張でまた老舗テーラー巡りをするのが今から楽しみです。