la mode europeénne sélectionné pour vous

FLOWERS

8/27/2012
 
近年、服飾イベントのオーガナイズやファッション誌などでもご活躍中の河合正人さんは弊社も大変お世話になっている方なのですが、本職はフラワー・コーディネーターをされており数々の賞の受賞歴をお持ちです。
その河合さんがこのたび写真集“FLOWERS”を出版され、amazon等でも予約受付が開始されました。

コダックのアナログポジフィルムを使い1年かけて撮影したこちらの写真集は、四季折々に咲く花の中で、本当によい花(1輪)に出会えたときにだけシャッターを押すという、花に寄り添うようにして撮影されたものだそうです。

(本当の意味で)豊かな生活に必要なもの中には、「クオリティーの高い生地を使い、しっかりと仕立て上げられたオーダースーツ」とともに、「洗練されていながらリラックスできる空間」があると私は思っているのですが、自宅、オフィス、ショップなどで「この写真集を日替わりでめくって飾ってみたら毎日が愉しいのでは」と勝手にイメージを膨らませています。
 
私も早速1冊お願いしていますが、手元に届くのが待ち遠しい今日この頃。
皆さまもぜひお手に取ってご覧下さいませ。

SUMMER HOLIDAY

8/20/2012
 
お盆休みが終わり、弊社も本日から営業再開となります。
皆様はいかがお過ごしになられましたでしょうか?

上の写真は私の休暇中の一コマで、軽井沢の重要文化財“旧三笠ホテル”のホールで行なわれた4重弦楽のミニコンサートの会場です。
町の夏季イベントの一つとして行なわれ、音大の学生さんの演奏を聴きに多くの観客が集まりました。

当日は天気が良く、開け放たれた窓からはいい風が入ってくるなか、大変心地の良い演奏会でした。

【旧三笠ホテル】
設計・施工が日本人の手による明治後期の純西洋風の木造ホテル。明治・大正時代を築いた著名人が訪れた面影を今に伝えています。昭和55年5月、国の重要文化財に指定。
               (軽井沢町HPより)

SALTIRE

8/10/2012

暑さまっさかりのなか来週は盆休みですが、いまは秋冬生地や新しいサンプルが続々と入荷してくる時期でもあります。

弊社取り扱いブランドでも今季多くの新作服地がありますが、今回は一足早く来年150周年を迎える英国の名門マーチャントHARRISONSの新しいカシミアコレクション、SALTIRE(ソルタイア)をご紹介させていただきます。

高品質紡毛カシミアCACHET(キャシェ)の後継として登場したこのSALTIREは、選び抜かれたチャイニーズカシミアの原毛を手間と時間のかかるミュール紡績機によりクオリティー優先で紡ぎ、スコットランドの伝統技法により肉厚で滑らかなボディーへと織り上げられました。
柔らかく、暖かく、そしてしっかりと仕立て映えするパフォーマンスの高さは、HARRISONSならではのものです。

ブランドの母国スコットランドへのオマージュとして初めて登場したロイヤルブルーの織ネームは、国旗“聖アンドリュー旗”がモチーフになりました。
世界で初めて(ブランド調べ)採用されたデュアルセルベッジ(生地の織耳のカラー/デザインが片方ずつ違う)と共に、HARRISONSらしい遊び心は見ていて愉しくなります。

バンチのデリバリーも始まっていますので、ぜひ実際に触れてその高いクオリティーを実感して下さい。(限定展開)


MEMORIAL DINNER SUIT

8/06/2012


先日の話題の続きです。

“SAVILE ROW A Glimpse into the World of English Tailoring”の著者  長谷川喜美さんをお招きしてのトークショーの最後に、弊社の方から実際のサヴィル・ロウ仕立てビスポークの参考品2着のうちの1着として紹介させていただいたディナースーツ(米名:タキシード)がこちら。
このディナースーツをオーダーしたのは、当時英国の大学院に留学中だった弊社現社長(2代目)の岸克彦でした。

HUNTSMAN(ハンツマン)で1967年に製作されたこのディナースーツは、ショールカラー(ヘチマ襟)のダブルブレステッドでタイト目にカットされており、今見ても違和感を感じないシャープな仕上がりです。
生地は当時のヨークシャーの有力ミル(織物工場)HUNT&WINTERBOTHAM(ハント&ウインターボザム)製のキッドモヘア55%混バラシアで、非常にしっかりしていて50年近い歳月を感じさせません。

英国留学の記念としてオーダーした1着で、仮縫い・中縫いの後入念に仕立てられたようですが、当時サヴィル・ロウでスーツをオーダーすることのできた日本人は稀だったため、帰国後このディナースーツは裁断・縫製技術の資料として引っ張りだこだったそうです。

全国の洋服組合を廻って帰ってきたときには、(袖付けの技術を見るために)どこかで片方の袖を外しまた付け直されていたようで、後日他のテーラーさんが見て発覚。
まだ発展途上だった日本の紳士服業界で、テーラーさんがどれだけ技術向上に熱心だったかが窺える、今となっては微笑ましいエピソードです。



余談ですが、今も昔もサヴィル・ロウの名門テーラーではビスポークスーツの裏地に(服地ブランドの)織ネームはおろかショップネームも付けません。
よって内側を見てもどのテーラーで仕立てられたスーツかは分かりませんが、実は内ポケットをめくると店名、オーナーの名前、製造年月、シリアルナンバーが印字されたタグが貼られており、半永久的に保管されている型紙をすぐに探し出すことができます。

高級なビスポークスーツでも決してひけらかすようなことをしないのは、まさに英国流のアンダーステートメントの表れのようです。