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VITALE BARBERIS CANONICO

10/01/2013


欧州出張から先週戻ってきました。
出張先の話題を幾つかお届けしたいと思います。
まずは5年ぶり2回目の訪問となったイタリアを代表するミルの一つ、VITALE BARBERIS CANONICO(ヴィターレ・バルべリス・カノニコ/以下 カノニコ)の様子です。

ミラノから車で約90分の町、ビエッラ近郊のトリヴェロ地区に広大な工場を擁する同社は、なんとそのルーツを1663年まで遡る名門中の名門。
紡績から仕上げまでその全ての行程を自社で行い、年間800万メーターという膨大な量の高級紳士服地を生産しています。これはスーツに換算すると、約270万着という数になります。
上写真はシリコンバレーのIT企業に明るく開放的な、同社のオフィス棟の中心に位置する中庭。
素晴らしいオフィス環境を見るだけでこの会社の先進性やクリエイティビティーが伝わってきます。


特注のカバー付きルーム(織機)

久しぶりの訪問だったので、ミーティングの合間に工場見学をさせていただきました。
以前にも書かせていただきましたが、同社の織機には全てカバーが付けられており、動作中はカバーが閉じるようになっています。
これは従業員の聴力を守るため(織機の動作音はもの凄く大きいのです!)に特注されたもので、未だにこちらにしかないそうです。


ウェットフィニッシング


こちらはウェットフィニッシングの機械。
様々なクオリティーに合わせた入念な仕上げが行われます。


パーチング

最終の検品工程“パーチング”では、キズや色ムラ、異物混入などが無いか厳しくチェックされます。英国のミルではせいぜい3,4台ですが、こちらでは明るい窓際に作業台がズラリと並んでいて壮観です。

先端の機械を使いながら、工場内の湿度を80%に保つなどクオリティー最優先のモノづくりにこだわるカノニコ。工場を見ると、そのメーカーのフィロソフィーがよく分かります。。。




最後に、こちらの雑誌はイタリアで有名な音楽雑誌ROLLING STONE(2013年6月号)。
付録のかわいいギターのマスコットは、なんとカノニコのフランネルで作られています!
フェラーリ(シートのビスポーク用)へのファブリック提供など、プロモーションにも積極的な同社ですが、特に14代目のフランチェスコ氏がクリエイティブ・ディレクターに就任してからは非常にアクティブ。




この号では、6ページに亘り同社の歴史やモノづくりが紹介されていました。
(右上写真のサングラス姿がフランチェスコ・バルベリス・カノニコ氏)
フランチェスコ氏には夕食にもご招待いただき、ファッションやビジネス談義をしたりビエッラの夜は大変充実したものになりました!