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GIEVES & HAWKES -Ⅱ-

3/11/2013
地下のアトリエで作業するカッタ―
前回に引き続き、GIEVES & HAWKESの話題です。
ショップの見学のあと、普段は入れない地下のアトリエにマネージャー様自ら案内していただきました。G&Hでは工房スペースは地下に集約されていますが、敷地が広いのでそれほど手狭感はありません。

この時はちょうどカッタ―が裁断作業中でした。
改めて思うのですが、ファストファッション全盛の昨今、カッタ―が顧客に合わせて一着ずつ手で裁断するビスポークスーツって、対極の「スローウェア」ですよね!?


海軍士官用トランク
そして2階のアーカイブルームへ。
途中の廊下には、昔使われていた海軍士官用トランクがディスプレーされています。
海軍士官は制服や私物をこのケースに入れて艦艇に持ち込んでいたそうですが、立派な洗面用具入れが組み込まれていたり、身だしなみに気を遣う「紳士の国」ならではのしっかりとした作りです。

ちなみに手前に見えているベストは、ポケットのホースから空気を吹き込むと救命胴衣になるシロモノ。本当に実用化したそうです。

アーカイブルーム
こちらがアーカイブルームの中。
将官用軍服や礼服などを中心に、貴重なお宝が多くディスプレーされています。
ご存じの通りスーツは軍服をルーツとしていますが、こちらには資料的価値があるものも多いそうです。


ネルソン提督直筆の紹介状
こちらはトラファルガー海戦の英雄、あのネルソン提督直筆の手紙です。
内容は自分の同僚をG&Hに紹介するための紹介状だそうで、昔は紹介がないとサヴィル・ロウで服を仕立てられなかったようです!

サヴィル・ロウの老舗テーラーのなかでも、G&Hほどアーカイブの管理・ディスプレーに力を入れている店はありません。
ちなみに、マイケルジャクソンが特注した衣装(あのキンキラの!)のプロトは店内に展示されていて見ることができますので、サヴィル・ロウにお越しの際はぜひ覗いてみてください!