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HENRY POOLE

3/25/2013

通常サヴィル・ロウの老舗テーラーにお邪魔するのは(お取引先様のアテンドで)店内・工房見学が多いのですが、今回はミーティングが目的で「サヴィル・ロウ最古のテーラー」HENRY POOLEに伺いました。
実は来月東京で開催予定のHARRISONS150周年記念イベントに於いて、昭和天皇や吉田茂なども愛したこの名店にご協力いただけることになったのです!
この日はブース展示の構成・内容について充実した打ち合わせができました。


宮内省 御用達証
こちらはショーウィンドウ近くに誇らしげに掲げられている、昭和天皇(皇太子時代)の御用達証。
大正12年と年号が記されていますが、殆ど日焼けもしておらず素晴らしいコンディションです。
古くはフランス皇帝ナポレオン三世から現英国女王エリザベス二世まで世界中の王室からの御用達証を授かってきた同店でも、日本の皇室というのは特別な存在のようです。
(過去日本に来たこともあり)お願いしたら貸し出してもらえそうな感じでしたが、万が一のことを考えこちらは断念。。。


店舗外観のリトグラフ
副会長のフィリップ・パーカー氏から「よかったらこれを使ったら?」と言っていただいたのがサロンのお奥に飾られていたこちらのリトグラフ(版画)。こちらと全く同じものが日本にあるとのことで、そちらをお貸出しいただけることになりました。(既に弊社の方でお預かりしています!)

来月のレセプションは異業種の英国プレミアムブランドの数々に協賛をいただきながら、充実の内容になる予定です。
当日の模様はこちらでもご紹介させていただきたく思っております。


HUNTSMAN

3/18/2013
HUNTSMANのサロン

サヴィル・ロウの話題。今度はHUNTSMANです。
昨年レディースに強い新しいCreative Directorが入ったことで、レディースのクチュールにも力を入れてきているようで、サロンにも何着か展示されていました。
以前から懇意にしていただいているGeneral Managerのピーター・スミス氏はこの日不在だったものの、これまた気さくなSales Managerジョニー・アレン氏にしっかりとツアーしていただきました。

こちらを見学させていただいたのは過去に何回かあったのですが、今回はアテンドしてくれたHARRISONS社長ジェームス氏が、「この3代目の親父さんは学生時代にここでディナースーツ(タキシード)を作ったんだぜ」と言ってくれたことで、当時の型紙探しがスタート。
1967年の顧客台帳がすぐに出てきたのにはビックリしましたが、父の名前が出てきた時は我が家の歴史を垣間見た気がして嬉しいものがありました。

1967年の顧客台帳
「台帳を見れば型紙もすぐ出せるよ!」と言ってくれたもののなかなか見つからず、結局タイムアウト。「本当はすぐに出てこないといけないのに申し訳ない!今度探しておくから。」と言ってくれたジョニー氏ですが、サヴィル・ロウの老舗の台帳に父の名を見つけられてだけで十分嬉しかったですよ~!
いつか自分もサヴィル・ロウで記念の一着を作ってみたいものです。。。

当時の工賃が95ポンドだったと記されています。
#近くのページには“TAKESHI KAIKO”の名前もあり驚きましたが、ジョニー氏は「有名な人なの??」とのことでした。笑

GIEVES & HAWKES -Ⅱ-

3/11/2013
地下のアトリエで作業するカッタ―
前回に引き続き、GIEVES & HAWKESの話題です。
ショップの見学のあと、普段は入れない地下のアトリエにマネージャー様自ら案内していただきました。G&Hでは工房スペースは地下に集約されていますが、敷地が広いのでそれほど手狭感はありません。

この時はちょうどカッタ―が裁断作業中でした。
改めて思うのですが、ファストファッション全盛の昨今、カッタ―が顧客に合わせて一着ずつ手で裁断するビスポークスーツって、対極の「スローウェア」ですよね!?


海軍士官用トランク
そして2階のアーカイブルームへ。
途中の廊下には、昔使われていた海軍士官用トランクがディスプレーされています。
海軍士官は制服や私物をこのケースに入れて艦艇に持ち込んでいたそうですが、立派な洗面用具入れが組み込まれていたり、身だしなみに気を遣う「紳士の国」ならではのしっかりとした作りです。

ちなみに手前に見えているベストは、ポケットのホースから空気を吹き込むと救命胴衣になるシロモノ。本当に実用化したそうです。

アーカイブルーム
こちらがアーカイブルームの中。
将官用軍服や礼服などを中心に、貴重なお宝が多くディスプレーされています。
ご存じの通りスーツは軍服をルーツとしていますが、こちらには資料的価値があるものも多いそうです。


ネルソン提督直筆の紹介状
こちらはトラファルガー海戦の英雄、あのネルソン提督直筆の手紙です。
内容は自分の同僚をG&Hに紹介するための紹介状だそうで、昔は紹介がないとサヴィル・ロウで服を仕立てられなかったようです!

サヴィル・ロウの老舗テーラーのなかでも、G&Hほどアーカイブの管理・ディスプレーに力を入れている店はありません。
ちなみに、マイケルジャクソンが特注した衣装(あのキンキラの!)のプロトは店内に展示されていて見ることができますので、サヴィル・ロウにお越しの際はぜひ覗いてみてください!

GIEVES & HAWKES

3/04/2013
READY-MADE コーナー
先月の出張時にはサヴィル・ロウでミーティングとお取引先様のアテンドがあり、数年ぶりにGIEVES & HAWKES(以下G&H)にもお邪魔してきました。
スーツ好きの方はご存じかと思いますが、サヴィル・ロウ1番地に白亜の立派な店舗を構えるこの通りを代表するテーラーの一つで、その歴史は1771年にまで遡ります。

久しぶりの訪問でびっくりしたのは、店内の雰囲気がかなり変わっていたこと。
もともとG&Hはこの通りでもいち早くREADY-MADE(既製品)に力を入れていたのですが、いまの店内は伝統的なテーラーであることを忘れるほどモダンです。
写真の右奥に見えているのはシューポリッシュ(靴磨き)のコーナーで、こんなサービスも行なわれています。

BESPOKE-SHOES コーナー
そして以前ビスポークのサロンであった場所の一部にはビスポークシューズのコーナーが。
こちらの運営は別事業であり、SHOP IN SHOPの形態を取っています。
マネージャー様曰く、「お互いの顧客をシェアできるところにメリットがあります」とのことでした。


BARBER & GROOMINGコーナー
そしてビスポークシューズコーナーの横には、ゴージャスで明るい理容コーナーも!
移転してしまったAUSTIN REEDの旧本店の地下にも立派なコーナーがありましたが、こちらも素晴らしい雰囲気でした。
英国で「紳士はテーラーとバーバー(理髪店)は簡単に変えない」といった格言を聞いたことがありますが、紳士にとって大切なこの2つのショップを融合させることは、かの国では至極自然なことなのでしょう。。。
この他にも、アンティークの調度品をレストア&モダナイズして販売しているコーナーもあり、見ていて愉しくてしょうがありませんでした。

同店の先進性を改めて感じた、充実のツアーでした!
(次回、普段は見れないアーカイブの数々について書かせていただきます)