la mode europeénne sélectionné pour vous

SS2015 SELECTION

5/26/2014


東京でも梅雨入りがそこまで近づいてきていますが、ジメッとしたこの時期を乗り切ればそこには夏が!!勿論暑くて仕事が大変なのはありますが子供達待望の夏休みもあり、夏ならではの様々な行事はやはり大人でも待ち遠しいものですね。

前にも書かせていただきましたように常に2シーズンは先行している服地卸業界では、既に来年春夏シーズンに向けた発注準備に取り掛かっています。
今日はそんな服地業界の裏側について少し書かせていただきます。




ご存じの方も多いと思いますが服地ブランドは「ミル(織物工場)」と「マーチャント(服地卸商)」の二つのカテゴリーに大きく分けられ、弊社の取扱いブランドでいいますとイタリアのCANONICO(カノニコ)、英国のEDWIN WOODHOUSE(エドウィン・ウッドハウス)などがミル、HARRISONS、H.LESSER(共に英国)がマーチャントとなります。その名が示す通り、実際の生産設備を持ち毎シーズン多くの新柄服地を生み出すミル(生産単位は主に1反=65~70m)、そしてそのミルに発注し自社独自のコレクションを編纂、そしてテーラー向けにバンチを作成、着分を販売するマーチャントと役割が明確に分かれています。
HARRISONS等のマーチャントでは(日本、イタリアなどの海外マーケットからのフィードバックを参考にしながら)最終的に本国でコレクションを組みますが、弊社が直輸入するミルの服地は全て独自にセレクトを行います。

ミルが生産する服地も大きく2つのタイプに分かれ、まずシーズンもののファンシー柄(上写真)はトレンドを大きく取り入れたもので翌年には再生産されないものが多いのが特徴です。




そしてもう一つがクラシック。無地やストライプなので定番柄が多く、毎年それほど大きく変動せずCANONICOなどの大きなミルではある程度の在庫を持っていてシーズン内の追加発注に対応してくれる場合もあります。

実際の発注は7月中旬なのですが、それまでに今シーズンの販売実績やお取引先様のご意見をお聞きしながら方向性を決めて準備をしていきます。
ギリギリまで在庫が変動するため、毎シーズン最後の最後まで発注量を確定することができません。「売れるものは厚く」しながら回転数の高い仕入れをしないといけなく、ある意味マーチャントの腕の見せ所と言えます。

今回書かせていただきましたように特にファンシー柄は品切れすると2度と再生産されず、ミルによってはクオリティー自体が1シーズンで終わってしまうケースもあります。
スーツをオーダーされる際は在庫の揃っているシーズンの立ち上がりに、そしてよい服地との出会いを大切にしていただけましたら幸いです!

SEASON OF FRESH GREEN

5/19/2014


今日は久しぶりにOFF TIMEの話題で失礼いたします。
この週末も素晴らしい天気に恵まれましたが、新緑が眩しく、それでいて暑くなり過ぎず本当にいい季節ですね!
冬の長い英国でもこれからの時期は日が長く、花々の咲き誇る明るい気候で、晴れた日は公園の芝生で日光浴をする人が多く見られます。

さて、昨日私は最近再開したゴルフで2回目のラウンドをまわってきました。




学生時代にちょっとかじったきり20年近くやっていなかったのですが、思うこともあり一念発起!
この歳で初心者というのも恥ずかしいですが、2回目でようやく少し景色が楽しめるようになってきました。
場所は母方の祖父がずっとプレーしていたコースで、所々で富士山が綺麗に見えます。
(写真は一緒にまわってくれている親戚です)

まだまだスコアを追及できるレベルではありませんが、早起きして新緑の中でプレーするのは気持ちいいものですね。

仲のいいHARRISONSの社長達(従兄弟同士のJamesとMark)は二人ともゴルフが好きで、特にMarkの方はセミプロレベルとのこと!
いつか日本、そして英国で一緒にプレーできるようにスキルアップを頑張りたいと思っています。。。

SUMMER COLLECTION BY EDWIN WOODHOUSE

5/12/2014


ふと気が付けば暖かい日が続くようになってきました。
「夏がもうすぐそこまで来ている!」と明るい気分になれるこの時期が私は大好きです。
(実際に夏になると暑くて大変なんですが。。。笑)

クールビズが浸透してきてはいますが、ここぞという時にはやはり夏でもビシッ!としたいもの。
そんなニッポンのビジネスマンの皆さまにお勧めしたい、英国の名門ブランドEDWIN WOODHOUSE(エドウィン・ウッドハウス)のサマーコレクションをご紹介します。
詳しい商品説明はこちらから




ずは名作AIR WOOL(エア・ウール)の流れを受け継ぐ清涼素材、SUMMER COMFORT(サマー・コンフォート)。100%ウールの天然素材でありながら、強撚糸を使いザックリと織り上げることで抜群の通気性と、ハリ感を実現しています。
「脱いだり着たり」が多い夏でもシワになりにくいこの生地には、多くのリピーターがいるのも特徴の一つです。




こちらはSUMMER COMFORTと同じ組織で、清涼感、防シワ性に加え独特の光沢にも富んだ天然素材であるモヘアをブレンドしたAIR WAY(エア・ウェイ)。ドレッシーな雰囲気で夏のスーツシーンを愉しくしてくれます。




最後にご紹介させていただくのが、「メッシュ織×モヘア混」という清涼素材SUMMER JACKETINGS(サマー・ジャケティングス)。タイドアップは勿論、デニムやポロシャツと合わせたりできる汎用性の高さでロングセラーとなっているクオリティーです。

夏だからこそ、ビジネスマンの装いにも差が出来やすいもの。
ビスポークテーラーだけでなく、BRIONIやKITONなどイタリアの名門ブランドにも生地を供給してきたEDWIN WOODHOUSEのコレクションなら間違いありません。
「相手に好印象を与える装い」を目指し、準備を早速始めましょう!


SUNNY BANK MILLS

5/02/2014


前回の出張の番外編です。
写真中央の貯水池の左から下にかけて広がる工場と建物群、そして豊かに茂る森を含むこの商工業団地はSUNNY BANK MILLS(サニーバンクミルズ)と呼ばれ、イングランド北部ヨークシャーの大都市リーズの近郊にあります。
実はこの場所はオーダー業界、そして英国服地ファンの皆様には馴染みのある場所でした。




その起源を1829年にまで遡るこちらのSUNNY BANK MILLSを、4代に亘り所有してきたのが隣町ハロゲートの名家でゴント家。
ご存知の方も多いかも知れませんが、このゴント家が高級服地メーカーEDWIN WOODHOUSE(エドウィン・ウッドハウス)を2008年まで所有し、生産はこのSUNNY BANK MILLSの中で行われていました。(広大な敷地と建物群のため、一部は工場・オフィス、そしてTVスタジオとして貸し出されていました)
産業革命で栄えたイングランド北部には、このような商工業団地が今も多く残っています。
服地製造事業はハダスフィールドの大手グループに売却され、現在のEDWIN WOODHOUSEブランド服地の生産は同グループの傘下にある高級工場TAYLOR&LODGE(テイラー&ロッヂ)で行われています。
そしてこのSUNNY BANK MILLSは現在ゴント家による不動産賃貸事業として株式会社化され、同社で使用する建物以外を大規模に改修し主にオフィスとして貸し出しています。

こちらは以前のEDWIN WOODHOUSE本社内のボードルーム(取締役用ミーティングルーム)。
現当主で従兄弟同士のWilliamとJohn、そしてその父であるMartinとDavidとこの部屋でよく商談やランチをしたものでした。




モダンアートが並ぶこちらの直営サロンは、もともと生地の倉庫だった場所。
現在は展示会スペースをとして貸し出されています。


 
 

伝統を重んずることで知られる英国とはいえ都市部では近代的なビルが増えていますが、SUNNY BANK MILLSのウリはやはりビクトリア様式の重厚な建物と、服地ミルとして180年使用された素晴らしい歴史。このように充実した資料室も整備されています。
この場所には以前多くの織機が並んでいました。
ゴント家が服地生産事業から離れてしまったのは大変残念でしたが、こうやって新たなフィールドで頑張っているウィリアムとジョンを心から応援しています。




少し古い(2007年)写真ですが、ジョンの結婚式に招いてもらった時のもの。その3年前の私の結婚式にも来てくれました。
私の一つ下と歳の近いジョンとは特に親しい付き合いを続けてきましたが、小学5年の春休みにホームステーでゴント家に滞在した以来の長い付き合いでもあります。
今でも出張の合間に食事に行き近況を話しあったりしていますが、かつてのように頻繁にあえないのは少し寂しかったり。

建物と違い人やその営みは少しずつ変化していきますが、そこに宿る豊かで温かい記憶はかけがえのない財産であることを実感します。。。