la mode europeénne sélectionné pour vous

TALK SHOW

7/30/2012

先週の木曜日、開催中だった弊社AW2012新柄展示会(業者様向け)の東京会場に於いて、“SAVILE ROW A Glimpse into the World of English Tailoring”の著者 長谷川喜美さんをお招きしてのトークショー&サイン・懇親会を開催し、お取引先様多数にご来場いただきました。

唯一無二の紳士服の聖地であるサヴィル・ロウの古今や各老舗テーラーのお話、またチャールズ皇太子の支援のもと行なわれた“SAVILE ROW FIELD DAY”(サヴィル・ロウに田園を再現し、30頭の羊を放した一大PRイベント)を動画を交え解説していただくなど大変充実した内容となり、盛況だったサイン・懇親会と共にご好評をいただきました。
長谷川様、またご来場いただきました皆様には、この場をお借りし厚く御礼申し上げます。

さて、下の写真は弊社より参考出品させていただいたサヴィル・ロウ製のビスポーク2着。
右の英国王立海軍の士官服は以前にご紹介させていただいたもので、HARRISONSなどを傘下に持つ英国最大のファミリーマーチャント LEAR BROWNE & DUNSFORDのブラウン家の方が実際に第2次大戦中に着用していたGIEVES(ギーブス)製のもの。(詳しくはこちら
左のディナースーツ(=タキシード)はHUNTSMAN(ハンツマン)で1967年にオーダーされたものなのですが、そのオーナーは実は弊社社長です。

このディナースーツが持つストーリーは、次回詳しく書かせていただきたいと思います。


SAVILE ROW BUNCH

7/25/2012

先日の話題の続きです。

皆さまが日本で目にされるHARRISONSのバンチの殆どはミディアムサイズ(写真右)のもので、サイズは23cm×15cmですが、実は紳士服の聖地サヴィル・ロウのテーラーでは写真左の大きなサイズ(29cm×19cm)のバンチが一般的に使われています。
これはHARRISONS以外の英国マーチャントでも同様のようで、サヴィル・ロウの老舗テーラーのサロンには大型のバンチがたくさん並んで(だいたい吊り下げられて)います。

英国ではかなり早くからバンチが普及し日本のように生地の着分を肩からかける習慣が無かったため、生地の色柄が見易いようにこのサイズが定着したそうですが、昔は(特にジャケット)で大柄のものが多かったことも理由の一つなようです。

色柄が見易い反面、重くかさばるためサヴィル・ロウ以外ではミディアムサイズが主流ですが、出張販売の際に使用するトラベルセット(写真中)と比べるとその大きさが際立ちます。


THE CAMPAIGN FOR WOOL EVENT

7/17/2012


先週の金曜日に駐日英国大使館に於いて、キャンペーン・フォー・ウール・イベントの一環とした
サヴィル・ロウ・テーラリングのトークショー&レセプションが開催され、弊社もささやかながら協賛させていただきました。

当日は「英国王室御用達に輝く老舗から、新進気鋭の新しいテーラーまで、時代の流れの中で大きく変貌を遂げるサヴィル・ロウの実像を、現地取材を通じて映し出した、日本初のヴィジュアルブック」である“SAVILE ROW A Glimpse into the World of English Tailoring”を執筆された長谷川喜美さんのトークショーや、日本のクロージング界の重鎮お二方による名作映画を見ながらのブリティッシュトラッド解説など充実した内容で、業界内外の皆様で大変賑わっていました。

この“SAVILE ROW”は、普段雑誌などで断片的にしか窺うことのできないサヴィル・ロウのテーラーの裏側を美しい写真の数々とともに掘り下げた秀作です。
皆様もぜひお手にとってご覧くださいませ。

TRAVEL SET

7/12/2012

皆さまがスーツをオーダーする時(テーラーさまの場合は販売される時)使われる生地見本は、英語でBUNCH(バンチ)と呼ばれ“房”や“束ねる”という意味から来ています。
そのサイズは各マーチャントによって様々ですが、HARRISONSでは23cm×15cmが基本サイズとなり日本のマーケットで多くご利用いただいています。

この写真のバンチはTRAVEL SET(トラベルセット)と呼ばれる小さなもの(15.5cm×10cm)で、その名のごとくサヴィル・ロウのテーラーが出張販売に出掛ける時に使用します。
サヴィル・ロウに立ち並ぶ老舗テーラーの風格ある店構えから考えると意外に思われるかも知れませんが、実は各テーラーともに海外(特にアメリカ)での出張販売が多く店によってはその比率が全体の50%を超えているケースもあるようです。

バンチは同サイズの本に近い重量がある為、数十冊と集まると持ち運びが大変なのですがこのサイズなら容積・重量ともに1/2~1/3で済みます。
現在も王侯貴族・エグゼクティブ達を相手に世界中を飛び回る老舗テーラーのために、HARRISONSでは今もこのサイズのバンチを作り続けているのです。(日本での展開はございません)

サヴィル・ロウの各店頭では、柄が見易いように逆に特大サイズのバンチが使用されています。
次回はその“サヴィル・ロウ サイズ”のバンチをご紹介させていただきます。


HUNTSMAN

7/05/2012

前回の話題に引き続き、3年前の出張でUP出来なかったもう一つのトピックを。。。
アンダーソン&シェパードを訪れたのと同日にもう一軒お邪魔したサヴィル・ロウの老舗テーラーが、11番地のHUNTSMAN(ハンツマン)でした。

過去の記事でも何回か書かせていただきましたが(詳しくはこちらから)、一ツ釦をベースにした独特のカッティング、そしていつの時代もサヴィル・ロウで最も高いと言われるその価格とともに英国を代表するテーラーの一つとして認知されています。
(スタート価格の4,000ポンドは最初の訪問時は円換算で約80万円でしたが、今のレートだと50万円少々。このチャンスにどなたかトライされては!?)
ヘンリー・プール同様に伝統と格式を今に伝える店構えの同店はかなりの敷居の高さですが、この時も最高にフレンドリーなセールスマネージャー、ピーター・スミス氏のご好意で工房を見学させていただき充実した時間となりました。

サヴィル・ロウ ビスポーク協会の発足やチャールズ皇太子のバックアップのもとでのイベント開催など、この通りそしてビスポークの文化が近年再び注目を集めています。
次の出張でまた老舗テーラー巡りをするのが今から楽しみです。