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FOX BROTHERS -Ⅱ-

4/04/2016


「英国フランネルの代名詞」FOX BROTHERS(フォックス ブラザーズ)の初訪問記後編です。
近年は英国ミルが多く集まるヨークシャー(北イングランド)に行く機会もめっきり減ってしまい、設備の整ったイタリアのミルに馴れてしまっていましたが、これぞ「THE 英国」というミルに久しぶりにお邪魔して嬉しくなってしまいました♪




フランネル以外の生地や、量産用に新しい織機も若干ありますが、殆どの織機は今では英国内でも殆ど見る事の無くなった旧式のもの。HEALD(ヒールド/中央に穴が開いた金属製の細長い棒。製織の際、経(縦)糸を上下させ柄を出す重要な役割を持つ)はハリスツイードなどの人力織機で使われるようなクラシックな形状でビックリしました!




工程が前後しますが、WARPING(ワーピング/整経)で使われる機械もやはり旧式。




経糸をこのように引き揃えて巻き取っていきます。
これはチェック柄のようですね…




こちらはHEALDに経糸を通していく作業(WARP DRAWING/ワープドローイング)、なんとオールバイハンド!
ヨークシャーでも殆ど見る事が無くなった懐かしいシーンを、ここサマセットでは今でも毎日見る事ができます。




織機にセットする準備が済んだ経糸。
きっと何十年も変わっていない光景がここにあります。




製織後のチェックはこちらでもベテランの女性が…
力がいらず繊細な眼が求められるので、どちらのミルでも女性が活躍しています。




歴史のあるミルだけあって、各所に古い機械やアーカイブが置かれています。
下写真のコートは、戦時中に実際に着用されたFOX BROTHERS製生地のものです。




愉しい時間も終了、ロンドンに戻る時間になりました。
余談ですが、工場内ショールームの一部には、チャールズ皇太子御用達として知られる名店ANDERSON & SHEPPARD(アンダーソン&シェパード)出身の熟練テーラーが間借りして営業しています。ロンドンやアメリカにも多くの顧客を持つ売れっ子で、今も忙しく飛び回っているそう。
英国の物づくりの健在ぶりが見れ、充実の一日になりました!